いざ口に入れれば、食欲も少しあることに気がつく。
…けど、気分の悪さは気のせいではない。
胃のムカムカも晴れなくて、飲み込む度違和感は増してくる。
「陽 無理しなくていいんだからね?」
港が自分の手を止めて話し掛けてくるけど、頷くことしか出来なかった。
それでも体は結構正直で、「もう食べるな」と警告するかのように震え始めてくる。
急な寒さと手足が冷えていくのを感じると同時に、胃からこみ上げてくるものがあった。
こんな状況で戻したくない。
港にだって食事中くらい看病忘れてゆっくり食べて欲しいのに。
全部 何もかも 私のせい。
せっかくの食事の時間も台無しにする…。
いろんなことが頭の中をぐるぐる回って、唇をぎゅっと噛み締める。
戻すことだけはしたくない
手足の冷えと震えが増して、唇を噛む力も強くなる。
港に気づかれたくない…
俯いて唇をぎゅっと噛んで耐えていたら、震える手から器が落ちそうになった。
港が気がついて受け取ってくれたけど、同時に私の異変にも気がついてしまう。


