それから陽もすぐに眠ったみたいで、俺もその後眠ったのだけど。
朝の目覚ましが鳴った時、すでに隣に陽の姿はなくて。
何かあったのか と心配してリビングに行ってみれば、朝食の用意をしている陽がいた。
何事もなかったかのように「おはよう」と声を掛けてきた陽に、俺も返事を返す。
「…おはよ。早いね」
「そうかな?」
不自然に俺を避けるのが気になって、近づけばやっぱり目を合わせてくれない。
近くで見れば、顔色を化粧で誤魔化していることくらいすぐにわかった。
…夜中 本当は眠っていなかったのか?
顔色を誤魔化しているつもりの陽の唇は青くて、さり気なく触れた指先は冷たい。
「体調が悪いならはっきり言えばいいだろ」
「…悪くないよ?」
「夜中薬飲もうとしてたよな?俺に黙ってこっそりと」
「…別に言う必要ないもん」
「隠さなくていいから」
「…隠してない」
「顔色を意図的に誤魔化すくらいなら正直に言え」
「…嫌だ」