「吸ってー吐いてー、じょうずだね~」
その後は夏来も嫌がる気配はなくて、胸の音を聴いてもらっている間 大人しかった。
「えらいね、おしまい」
奏太くんに褒められると、泣き顔も笑顔に変わっていた。
「今は気持ち悪くない?」
奏太くんの質問にも素直に頷いた夏来は、恥ずかしそうに蒼の胸元に顔を埋めてしまった。
蒼もそんな様子を見て、思わず声を漏らす。
「なに照れてんの」
「んふふ、照れてるの~?」
椅子を引こうとした奏太くんがまた戻ってくると、上げようとした顔をまた胸元に埋めてしまった。
「恥ずかしいの~?」
奏太くんのそんな質問にも、夏来は小さく頷いてみせる。
「奏太にはやけに素直なんだな…」