「落ち着いて…ほら、前にも来たよ?」



タオルで涙を拭いてあげる蒼は、夏来の背中を軽く叩いて優しく声をかけた。




「来て…ッ…ない、」




泣きながら言葉をつなぐ夏来に、蒼も苦笑いで頭を撫でる。





熱が高くて喘息も出ているだろうから、余計機嫌が悪い。






看護師さんが近づけば『イヤだ』と言って手で押し返すし、蒼が服を上げようとすれば体を捻って腕からすり抜けるほど。







「うーん、今日はご機嫌ななめだな?」





そんな夏来を見兼ねてか、奏太くんも慣れた様子で夏来に近づいていった。





「だいじょーぶ、痛いのなんもしないよ」





蒼が夏来を抱えるように体を押さえている間に、奏太くんは夏来の首元に手を当ててから服を上げた。




看護師さんが補助に入ると、夏来は抵抗をやめて大人しくなった。




「いいこだね」





優しく夏来に声を掛ける奏太くんは、慣れた手つきで背中の音を聴いた。