「あれ?」




診察室の奥から顔を出した奏太は、慌てて椅子を降りてしまう夏来を見てか白衣を脱いで出てきた。




「こんにちは。久しぶりだね」



以前にも奏太にお願いしたことがあるけれど、夏来本人はそんなこと覚えてないだろう。






「…やっぱ かえる」




今度はドアのところに立っていた季蛍の背中の後ろにすっぽり隠れてしまった。





「ごめん、今日はあの調子」



「いや、いいよ。怖いのはわかる」