少し強引に夏来を連れて部屋に入ると、さっきの看護師さんが暖かく迎えてくれた。




「先生来るからそこに座っていてね。」


自分から丸椅子に座った夏来は、辺りをキョロキョロ見回していて落ち着きがない。





「…んねぇ、痛い」



手を伸ばして服をつかんできた夏来は、そう呟いて胸に手を当てる。




「ん?…どう痛いの?」



蒼が腰を低くして聞くけど、首を傾げたり振ったりしながら曖昧な返事をした。







蒼が夏来の顔を覗いて話を聞いている時、診察室の奥から男性が顔を出した。



「あれ?」