「わかった、じゃあこの先生に診てもらう?」
しばらく胸の中にいた夏来に蒼が声を掛けると、ゆっくり顔を上げてくれた。
「優しいんじゃない?」
蒼が隣に突っ立っている高島先生を指さすと、夏来はぶんぶん首を横に振ってまた胸に顔を埋めた。
「こんにちは」
高島先生もしゃがんで目線を合わせるけど、夏来は蒼の背中の後ろに回って「イヤだ」と首を横に振り続けた。
「俺を盾代わりにするなよ…」
苦笑いの蒼が後ろで固まってしまった夏来を抱えて戻すと、高島先生の目の前に下ろす。
「こんにちはーして?」
「こん…に……ちは」
震えた声をなんとか絞り出すような夏来に、思わず高島先生も笑っていた。
「こんにちは。夏来くん何歳?」
「……」
また蒼の背後に隠れてしまった夏来は、ひょっこり顔を出して様子を伺っている。
「先生とジュース買いに行く?」
高島先生のモノ釣りに、蒼も「おい」って笑っていたけど案外素直について行く。
「なにがいい~?」
挙句の果てに高島先生の白衣の裾まで掴んじゃって、2人で自動販売機へ歩いて行った。
「夏来よく来れたな」
自動販売機へ向かう2人を追うように蒼と並んで歩いていくと、苦笑いを浮かべてそう言った。
「蒼に会えるって伝えたらすぐに準備してくれたの」
「そうか、よかった」


