病院の駐車場につくと、さすがに怯えた表情になった。




「やっぱ...かえる」




「帰りたい?帰る?パパには会えないよ」




「…会う」





自分から車を降りるんだから、相当会いたいみたい。



それもそうだよね・・・



なんて思いながら、病院の自動ドアを抜けた。








診察時間までの間に来ることを伝えてあるから、きっとその辺をうろついてくれてると思うんだけど。








看護師さんに何度か声を掛けられながら、ナースステーションの前まで歩いてきた。





「パパは?」




時折通る看護師さんに怯えながら 辺りを見回す夏来がそう聞いてきた時、遠くに3人の男性の姿を見つけた。



きっと右にいる手術着の人は港くんで、真ん中で両端2人を気にしているのは高島先生。




1番左の白衣を着たその姿がきっと蒼。






「夏来、パパお話してるから待ってよっか」



「…どこにいるの?」



「あそこ。1番左の白衣着てるお医者さん」





指を指して教えてあげると、ぱぁっと目を輝かせて嬉しそうな顔になった。