季蛍がいなくなって沈黙が流れると、陽さんは深くため息を吐いた。 ぎゅっと服を握りしめている陽さんの額には、冷や汗が滲んでいる。 「陽さ」 「ううん、平気だから」 声を掛けようとする港に、陽さんは首を左右に振った。 「ちょっと店出る?」 それでも話を続ける港に、陽さんは嫌そうな顔で首を振る。 「いいって…」