会話をしながら戻ってきた陽さんは、また港に促されて奥のソファに腰を下ろした。




「季蛍さんたちはお昼食べる?」




港がメニューを指さして聞くと、季蛍は俺らを見回して





「港くんに合わせるけど…」




と首を傾げた。




「季蛍さんは食べれそうだね?」



「朝抜いたもんな」



「余計なこと言わなくていいから…!」



「朝ごはん食べてないの?だったら尚更」



「うーん、…ちょっとだけ食べようかな」







季蛍がそう呟いてメニューを眺めているけど、向かい側の陽さんは手元のコーヒーをかき混ぜながら顔を上げなかった。