次に目が覚めた時には、窓から眩しい光が差し込んでいた。
港はまだ寝息を立てている。
そっと港の腕から抜けて、物音を立てないように寝室を出ていく。
いつもは病院に泊まっている港も、今日は朝も家にいる。
普通は当たり前の光景が、今の私にはとても大切な時間に思える。
何気ない朝ごはんに気合を入れてしまうのも、港と食べる朝ごはんが本当に久しぶりだから。
朝目が覚めた時 目の前に港がいたあの瞬間を思い出すだけでも、無意識に顔が綻んでいく。
「んふふ…♪」
喜んでくれる港の顔を思い浮かべるだけで、自然と手が動いていく。
早く港と会話したい、
朝食を作る私の頭の中は、ただそれだけでいっぱいだった。