目が覚めて体を起こすと、隣にはまだ寝息を立てる港がいる。
目覚ましの鳴る5分前。
昨日の夜は何時に帰ってきたんだろう…
なんて思いながら、起きる気配のない港に体を寄せる。
何ヶ月ぶりかの港との休日。
たまにあった休日も、港と結と3人でお家でゆっくりしている日が多かった。
だけど今日は違う。
まだ眠っている港の肌に手を触れて。
ふふふ、って思わず声が漏れる。
港が隣で眠っているのを見るのって、いつぶりなんだろう…。
起こさないようにもっと体を寄せて、大好きな手に自分の指をそっと重ねる。
たくさんの患者さんを救うこの手が私は大好きで、優しく抱きしめてくれるこの手が本当に本当に大好きで…。
『寝れないの?』って髪を撫でてくれるこの手が
『おいで』って抱きしめてくれるその手が
大好きでたまらなくて……
なんて思っていたら自然と笑みがこぼれていた。
気持ちよさそうに寝息を立てる港の顔に見入って、私も一度欠伸する。
よく私なんかの傍にいてくれるよね、
なんて今更思いつつも、裏切らないそんな港が好き。
起こさないようにそっと触れれば、自分でもわかる程顔が綻んでしまう。
無意識に触れるその手のひらは、温かくて今すぐにでも包んで欲しいくらい。
…なんて思っていたら
「何してんの?」
って声が聞こえて、わかりやすく体が離れた。