それから一時間後、目覚ましが鳴った。 目覚ましを止めて隣にいる季蛍に目をやると、季蛍も目を覚ましている。 「おはよ」 「…はよ、起きなきゃ」 そう言いながら布団の中で目を瞑ったまま動かない季蛍の肩を叩いて、俺も体を起こす。 「寝るな」 「…寝てない」 「早めに家出て先に薬もらってこい」 「…ん?うん…」 眠たそうに目を擦りながら体を起こす季蛍は、多分俺の話を聞いていない。