リビングで薬を飲んで戻ってくると、蒼はまた寝息を立てていた。 そっと布団の中に潜ると、隣から手が伸びてくる。 「…おいで」 意識があるのかないのかは定かではないけど、蒼の手で強めに引っ張られて胸の中で体を縮めた。 「まだ寝てろ…」 耳元でそう言われて吸い込まれるように目を閉じると、すぐに眠りの中に落ちていった。 背中に手が回されて、体をぎゅっと引き寄せられたのを ほんの少し、微かに感じながら。