「季蛍」



名前を呼ばれて振り向くと、目を閉じたままの蒼が布団から顔を出していた。





「あ…ごめん、起こして」




「薬飲んできたら?…電気つけていいから」




「えっ…」




「我慢すんの?薬あるから、そこ」





目を開けた蒼が棚を指さして、呆れたように笑われる。




「…ごめん、まだ早いのに」



「いいから」