「…じゃあちょっとは思った?」
「……ちょっとは。」
「ほら!」
「別にダサいなんて思ってない。…ただ不注意なだけでしょ」
「たしかに不注意だけど…」
「無理して結のこと引き取るからでしょ?」
「そんなに預けてらんないよ…」
「だったら俺が言った通り実家にいなさい」
「…ごめん」
「…別に怒ってるわけじゃないから。せっかく帰ったんだからそんな顔するな」
両手を広げて少し待ってやると、数秒間耐えた後飛び込んでくる。
「んー、痛い」
勢いで傷が痛んだのか、顔を歪めていた陽だけど
『寂しかった』
と呟いて、胸に顔を埋めた。
思わず力強く抱きしめると、
『痛い』
って声が微かに聞こえて、すぐに体を離したけど。