「綺麗に縫ってもらってよかったね」
「…見てないからわかんない」
「傷跡もそんなに目立たなそうだな」
深く切ったことは確かだったみたいだけど、何かがあるわけじゃなくて本当によかった…
「ごめん…、仕事中に連絡いって…」
それまで逸らしていた目を真っ直ぐこっちに向けてそう謝る陽は、本当に悪いと思っているようで。
「…いいよ、そんなの」
「診てくれた先生が決めたの、私は断ったのに」
「うん、気にしてないよ」
「だって忙しかったでしょ…?病院に泊まってたし…」
「連絡は聞いただけだよ。…気にしてないのに」
「…転んで切ったなんて呆れるでしょ?」
「…別に」
「今考えてた」
「考えてない」
「考えたじゃん!!ダサいって思ったでしょ?ドジだって」
「思ってない」