「見せてくんないの?」
頷く陽に小さくため息をついて、額にそっと手を伸ばす。
「っ、だからやだ…」
「見るだけ。なんもしない」
「だってガーゼ剥がしたらあれだし、」
「付け替えてやるから」
「………」
ゼリーをぐるぐるかき混ぜながら、上目遣いで見上げてくる。
「そんな顔しても無駄」
「だって…!!傷口なんて見たくないでしょ?痛々しいもん」
「別に」
「…んもぅ。じゃあ痛くしないで……」
「わかってる」
最後は折れてくれた陽の髪をそっとかき分けて、ガーゼをゆっくり剥がしていく。
「そんなにゼリーぐちゃぐちゃにしてどーすんの?」
「…食べやすいからいいの」