「…で?今はどうなの?」
手術着のまま仮眠室へ向かおうとする港は、疲れ切った様子で首を縦に振った。
「一応元気みたい。…ほんと、無事でよかった」
ここ最近体調の優れなかった陽さんは、無理に結くんを実家から引き取って世話をしていたらしい。
しばらくの間は順調だったものの、昨日陽さんが額か頬かを切ったとかで連絡が来たと言っていた。
それも『何針か縫った』と言うのだから、港が『無事でよかった』と言うのもよくわかる。
「何やってんだ、ほんとに…」
港の中で自分がいない間に何かが起こる恐怖心が、今とても強いのかもしれない。
「あー、お疲れ。季蛍さんによろしく」
そう一言だけ残した港は、そのまま仮眠室へ向かっていった。
「あぁ…お疲れ」