「朝弱いって知ってるでしょ…」
「…だったら何?体温測らない理由にはなりませんけど」
動こうとする陽の肩を抱いて体温計が鳴るのを待つけど、陽は何かを察したのか
「…怒んないでね?」
と急に弱気になって、首をすくめた。
「怒んないよ…。俺そんなに怒鳴りつけたことあった?」
そんなに怯える意味もよくわからないし、陽をそこまで怒鳴りつけた記憶もない。
体温計が鳴ると、陽は布団に顔を埋めて動かなくなった。
「ごめん、取るよ」
体を丸めた陽の胸元から手をいれて体温計を取ると、表示されていたのは予想外の数字だった。
「うーん…下がんないね」