「朝だよ、陽」



まだ寝かせておきたい気持ちもある中、時計を見ながら陽の肩を叩く。



「体温測って」




心を鬼にしながら飲ませてきた薬も、ようやく残りは1日分。





「測ってほしいのね…ったく、しょうがないな」




その言葉を聞いてから逃げようとしたって、そうはいかない。



「ん、いやー!」




「動かない」





体を丸めようとする陽の動きを制止して、ボタンを外していく。



「朝からひどい…」





涙目で訴えたってやめないからな。




…って思いつつ、陽の涙には正直弱い。