リンゴの欠片を一口飲み込んだ陽さんは、薬を手のひらに乗せて渋い表情を浮かべた。
「それ一気に飲むのか?」
何錠か手のひらに乗っているのを見た港が驚いて問うと、陽さんは小さく頷いた。
全てを口の中に放り込んで水を流し込むと、飲み込んだのがわかる。
「偉いな。先生にもいい報告ができる」
陽さんの頭を撫でてやる港は、険しい顔をする陽さんを見て苦笑いを浮かべた。
「ん、にが…」
「口の中残ってんじゃないの?…一気に飲むから」
ため息をつく港がコップを手渡すと、陽さんを寝室に促した。
「寝てろ、後で起こすから」