診察室の片付けを終えた頃には、息苦しさも増していた。
引き出しを開けると、いつもならあるはずの吸入がない。
鞄は医局にあるし、ポケットにも入っていない。
今朝玄関で「持っていけよ」と蒼が渡してくれた吸入の入った袋はどこへやったのだろう。
鞄の中に入ったままで白衣のポケットに入れるのを忘れてしまったのかもしれない。
診察室の電気を消して部屋から出て、医局へと向かう。
「ッケホケホ…」
階段をかけ上がって医局に飛び込むと、デスクの上を漁った。
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