「薬飲まないと治らないよ。俺が家にいなかったらどうするの?食事取らないつもり?」
「そんなの…わかんない」
「…心配してるんだからな」
「わかってる…」
港の手を解いた陽さんは、器に手を伸ばして
「あっちで食べるから…」
と言って席を立った。
寝室に入っていく陽さんを見届けていた港は、呆れたようにため息をつく。
「当直の日が怖いね、ほんとに」
「港がそこまで言うの、珍しいな」
「見たでしょ?あれ」
「…んはは。季蛍に比べれば全然問題ないけど」
「季蛍さんに失礼」
「季蛍もあんなだよ、陽さんは素直な方」
「そうか?…参ってるよ、俺は」