「…も、いい」
フォークを机の上に置いて"もういい"と言い切った陽さんの手元を覗いた港は、わかりやすく苦笑いを浮かべる。
「おわり?」
「…ん。」
「…。あんま食欲ない?」
「…そういうこと聞かないで」
嫌そうな表情を浮かべる陽さんは、近づく港の体を押し返してそっぽを向いてしまう。
季蛍を見ているようで、微笑ましくなってしまうのだけど。
「食べられない?聞いてるんだけど」
そこだけは聞き出したいのか、港は諦めないまま陽さんの腰に手を回す。
「答えて?」
強引に陽さんと目を合わせる港と裏腹に、陽さんは下を向いたまま動かなくなった。


