「前回蒼が来た時もこんな感じだったな」
仕事の話が済むと、コーヒーを入れ直してくれた港が笑いながら言った。
「あぁ、そうだった」
「季蛍も心配してるよ。陽さんのことも…港のことも」
「俺も?」
「まだ小さい子供もいるからって。港が体調崩さないか心配してる」
「大丈夫だよ、全然」
そう言いながら笑う港も、目の奥は笑っていないような気がする。
「少しは良くなったんだろ…?」
「少し…な。長引く原因はわからない」
「……」
「点滴頑張った陽もかわいそうでさ…。昨日の夜から薬も飲まなくなった」
『どうしたらいいかわからない…。』
その言葉が出ると、港は我に返ったかのように笑った。
「ごめん、蒼といるとそんなことばっかりだな…」
「いや、いいんだけど…」