玄関を開けると、平謝りの港がいて。 「遅くまで悪かった」 「いや、いいよ。いま軽い発作が出てる」 「そうか、ありがとう」 「行ってあげて」 港が小走りで家の中に入ると、少し落ち着いた呼吸が聞こえてきた。 「ありがとう、季蛍さん」 「港くん、良かったです」 スーツのまま側に駆け寄ると、季蛍と場所を代わる。 「遅くなってごめん、しんどかったな」 「こ…」 「うん、帰ったよ」 「港…」 「落ち着いた?」 「大丈夫…もう」