布団の中に潜り込んだのを確認し、寝室のドアを閉めた。
「大丈夫?」
「うん、ごめん騒がしくて」
「いーや」
「寝た?」
「無事」
口を濯がせたあと、陽がゼリーを食べたいと言った。
何も喉を通らないと言っていたのに、自ら食べる意欲が湧いたのだと 嬉しかった。
「ゼリーありがとう、陽が食べてくれた」
「良かった」
「フルーツ入ってて美味しかったみたい」
「季蛍が好きなんだよね、食べやすくて」
「本当に何も食べないからさ。心配になっちゃうけど…」
ゼリーのカップを覗くと、綺麗になくなっている。
「見て、全部ない」
「気に入ってもらえたかな?持ってきて正解だった」
「世話になってばっかり」
「そうか?お互い様だよ」
「季蛍さんは?最近会ってないな」
「うん、普通に元気」
「そうなんだ。良かった」
「今度食事でもどう?時間が合えば」
「いいね」
「陽さんが嫌じゃなければ」
「嫌なわけない。…てか、むしろこっちからお願いしたい」
「じゃ、決まりで」
「陽が喜ぶわ、絶対」