キッチンでコーヒーを入れるついでに紙袋の中身を出してみると、箱に並べられたフルーツゼリーがいくつも入っていた。
体調の優れない陽を考えての手土産なんだろう。
そんな配慮が本当に蒼らしいというか、何というか。
コーヒーを持ってリビングに戻ると、真っ青な顔色の陽が スプーンを持ったまま遠くを見つめていた。
「陽、お粥いいから寝室戻って寝たら?あとで起こすから」
「ん」
ふらふら寝室へ向かう陽を見てか、蒼も少し戸惑った表情を浮かべる。
「調子悪そうだな」
「微熱が続いてるだけ」
「そうか」
「食事はこの通りだけど」
ほとんど手がつけられていないお粥の器を下げる。