「悪い、散らかってるけど」




手土産片手に部屋に入ってきた蒼は


"気にしないで"


そう言いながら、リビングにいる陽を見た。





「陽ー?蒼来たよ」



重たそうな瞼を必死に開けて、蒼を見つけると小さく会釈した。



「突然ごめんね、陽さん」



無反応な陽に少し笑うと、紙袋を差し出す。



「たいしたものじゃないけど」



「いいのに、大した話しないから」



「でもね。退院祝いも含めて」
  


"こんなもので退院祝いもあれだけど"



と付け加えて、苦笑いを浮かべた。