食事のお盆が目の前に置かれる。 「お昼食べて寝ようね、熱が上がるから」 小さなスプーンが渡されて受け取ると、ドロドロのお粥が入った器がお盆に置かれた。 「食べないと薬飲めないもんね」 そう言われて『いただきます…』と言ったものの、食べられそうな気配がない…。 「夜、季蛍さんに来てもらってもいい?行きたいって言ってたけど」 そんな港の声を聞きながら、スプーンをただ見つめるだけ。 「いい…」 「そう?よかった」