それから意識が戻って目を開けたときには、見慣れた場所だった。
ぼーっと窓の外の景色を眺めていたら、冷たい空気が流れ込んでくる。
「病院入るよ」
車のドアが開けられるけど、抵抗する力もなければ『行きたくない』なんて言葉も出ない。
お世話になることが多いせいか、駐車場もすっかり見慣れてしまった。
体を毛布で包まれ、体が浮く。
そのまま病院のドアを抜けると、大嫌いな消毒の匂い。
聞くだけでドキッとする待合室のアナウンス。
雰囲気すら嫌になって、港の胸に顔を埋めた。
毛布でくるまれた自分の姿は、皆にどう映っているんだろう…
そう考えただけで、余計嫌になった。


