「…いってきます」



昨日の夜、あんなことを言ったままで顔を合わせられる訳がなくて。



目を合わせずにリビングから出て行こうとしたのだけど。



「愛優、朝ご飯は?」



あんなことを言ってしまったのに、変わらずいつものように聞いてくれる。



「…食べない」



どうしても素っ気なくなって、そのまま玄関へ向かう。



「薬も飲まないんだな」




着替えを済ませたパパがリビングから言ったのが聞こえたけれど、そのまま玄関を出た。