それから少しすると、扉がノックされる。
返事をする前に扉が開き、白衣姿の季蛍が紙を片手に中に入ってきた。
「…この前の検査結果です」
「呼び出しくらってご不満か?」
「…こんなの聞いてない」
「だって言ってないもん」
「……」
「じっとしてたら数分で帰れるよ」
「…なにかするんですか?」
「血液検査だよ?」
「今更そんなこと言われても…」
「ごめん、言うの忘れてたわ」
頬を膨らませて不満そうな顔をしているが、お構いなしに奥へ声を掛ける。
「島内さーん、お願いします」
「準備オッケーです」
「ほんとにするの…?」
「本当は寝込んでる間にやるはずだったんだから」