それから数分すると、名前が呼ばれた。 不安そうな夏来と診察室の中に入ると、そこには見覚えのある顔があった。 「よく来れたね~」 そう言って奏太は夏来の頭をわしゃわしゃと撫でる。 「……」 俺の服を握って後ろに一歩後ずさりしてしまう夏来を見て 「嫌われちゃったか」 と奏太は苦笑いを浮かべた。 「…夏来、こんにちわして」 「……こん…ち……イヤッ」 「…ごめん、不機嫌だ」 「んふふ、気にしないで。熱があれば皆そうだよ」 呑気なことを言っているように見えて、奏太の視線は夏来を捉えている。