洗面台で手を洗いながらも、頬を静かに伝う涙。 背中を擦りつつ、屈んで涙を拭う。 「ゔっ…グス…ッ」 「落ち着いた?」 「ん…大丈夫」 首筋から伝わる高い体温。 大丈夫、と言いつつ膝から崩れ落ちる体を抱え、寝室へ運ぶ。 「ごめん…」 「謝んなくていいよ。いま水持ってくる」 「ありがと…」