「吐き気止め入れよっか?」




その声に嫌な予感がして先生の手元を見ると、昨日処方された薬の袋を覗いていた。



手のひらに座薬を取り出し、揺らしてみせる。




「ちょっとしんどそうだからさ」


「…」


「入れちゃえば少し落ち着くし」


「そうだけど…」


「自分で出来るなら渡すけど」


「…自分でやります」


「じゃ、置いとくね」




先生にコップを渡し、持ってきてもらった冷却シートを首筋に貼る。


気休めだけれど、今は少しでも辛さを軽減したい。