迫るものを吐き出さぬよう、唇を強く噛みしめる。
その次に体を起こし、ベッドサイドに手を伸ばした。
再びの強い吐き気。
周りを見渡すと、ベッドサイドでパソコンの画面を眺めている先生と目が合った。
「あ、出る?」
「出る…」
洗面器に手を伸ばしたものの、力が入らず掴むことができない。
「いいよ、持ってるから」
朝から口に入れたものは少量の液体だけなのに、胃の中にたくさん詰まっているような感覚だ。
「…出ないかも」
「じゃ、置いとくよ」
「水…ほしいです」
「ちょっと待ってて」
再び小さなコップに少量が注がれ、それを力の入らない指先でなんとか受け取った。
「ストロー挿しとくよ」
「ありがとうごさいます…」


