背中を擦られ、誘発した吐き気に耐えられず。
口の中に嫌な味が広がり、堪らず洗面器の中へ。
主治医だろうが、恥ずかしいものは恥ずかしい。
俯いたまま顔を上げることができない。
「もう出ない?」
「出ない…」
「一旦洗面所行ける?」
背中に手が当てられたまま、ベッドから降り、寝室を出る。
あ…フラフラする…
揺れる体をがっちり掴まれ、不安な足取りで洗面所へ。
蛇口を手のひらで掴んで回してみたものの、力が入らず空回りをした。
後ろでフッと笑った高島先生が、代わりに蛇口を捻ってくれる。
水に手を通すと、冷たくて気持ちが良かった。
それほど熱が高いのだろうと悟った。
「ごめんなさい…」
「ん?なんで謝った?」
ケラケラと笑う彼がタオルを手にし、鏡越しに視線が合う。
「こんな看病したくないと思うから…」
「ふっ、そんなこと気にするなら来てないから」
「…」
「口ゆすいだ?ベッド戻ろ」


