ピーンポーンとチャイムが鳴ってだるそうに羽野さんが出てくる。

「あ、これ。回覧板なんですけどー・・・」

「うん、回覧板だね。」

「いや、回ってきたんですよ。」

「あ、そう。ちょうどいいところに来たね。お茶飲んでいく?」

なんでそうなるんだ。

私は回覧板を届けに来たのですけれど?

「いや結構で「お菓子もあるんだよね」

「御邪魔しまーす」

「君ってさ、お菓子好きなんだね」

ずかずかと羽野さんの部屋に上がりこむ私を見てはノさんはぼそりと呟いた。

「は?何かいいましたか?」

「・・・・・なにも?」

「ならいいんです。」

でも・・・・引きこもりって部屋汚いんだよね・・・・・?

やめといたら良かった・・・・

いまさら帰るなんて言えないし・・・・・・・・・・・・・

そんな感じでよく漫画とかにある引きこもりとかヲタクの汚っっっっい部屋を想像しながら室内に入ると私は倒れそうになった。

「凄く綺麗なんですけど・・・・・?」

「え、汚いとか思ってたんだ?」

声に出ていたらしい。

「あ・・・・・・御免なさい。てっきり・・・・」

「・・・・・誰かに聞いたのかい?」

突然聞かれては何のことだか分からない。

きょとんとしていたら「僕が引きこもりだってこと。知ってるんだろ?だから部屋が汚いと思ったんじゃないの?」

「えと・・・・・あたりです。」

「誰から聞いた?」

「橘君・・・・」

「橘って橘結城?」

「はい。」

「ならいいや。」

他の人から聞いちゃ駄目なのかよ。