「羽野さんって人ね、引きこもりなんだって!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」

「ひ・き・こ・も・り」

「引きこもりって、あの部屋にこもってる人?」

「Yes!」

「嘘ン。」

「本当」

驚くべき事実。

「え、なんで知ってるの?」

私はまだ驚きながらも尋ねる。

「あ、それはぁー、俺が愁のお友達だから?」

「いや聞かないでくださいよ」

「あっはー、アイツ俺のダチなんだわ。おもしろいやつだよな♪」

「迷惑ですよぅ。」

「まぁいいじゃん。許してやって♪ついでに敬語じゃなくていいしー」

「あ、うん。えー、許せって・・・」

ふと曲のことを思い出した。

「アイツ、顔はいいのになぁ」

「それは分かります。」

「ってことなのよ。これだけ♪」

へらっと凛が笑う。

ひきこもり・・・・。

「そっか。じゃあ私は邪魔しないように帰るね★」

「え、そう?バイバーイ」

「うんっバイバーイ」

手を振って二人に別れを告げると足早にマンションへと歩いた。

「ひきこもり・・・かぁ。もしかして、私大変な人の隣に引っ越して来たのかな?」

ぼんやりと空を見上げて歩く。

まだ太陽が沈みかけなので明るいが、朝とは雰囲気の違う感じだ。

今日は家に帰ってすぐに寝よう。

そんなことを考えながら、引っ越したばかりの新居へと向かうのだった。