「いってきます。」

わたしはそう言って
高いヒールを履き
送迎の車で化粧を直す。

ただ窓から見える景色を
呆然と見ていた。

今からのわたしは
いくらの値段が
付けられるんだろうか。

「あっ…」



窓の外は一面の
菜の花畑で
あぁ、あれから一年が
経つのかと思うと
どんどん染まっていく
自分がただ怖かった。