だけど、夏祭り以降、そのギャラリーの女の子達の中に、松下さんを見付け、そのまま悠也に視線を移すと……

悠也は照れたような、だけど、すごく嬉しそうな表情をしていた。

私にだって笑顔はいつも見せてくれる。

だけど、そんな顔……

私に向けてくれた事はなかった。


今まで、私が気付かなかっただけで、悠也はいつも松下さんの事をそんな風に、そんな表情で見ていたの?


そんな悠也の表情を見る度、私はズキッと胸が痛くなる。

それに、私はやっぱり“特別”じゃなくて、“友達”なんだって実感させられる。

そりゃ、私と悠也の関係は“友達”だよ?

そんな事、わかっている。

わかっているんだけど……

“友達”だという事を実感させられる度に、胸が苦しくなる。


悠也の事、諦められたらラクになる。


それもわかっている。

何も行動しない私が悪い。

悠也が接する女の子の中で一番私が距離が近いと、“友達”という関係に甘えていたのは私。

全部頭ではわかっているの。