私が自分の気持ちを隠し、普通に友達として接している限り、悠也は何も気付かず、いつもと同じように接してくれる。

その事がわかっていた私は、やっぱり自分の気持ちを隠し続けた。

というか、今までずっと気持ちを隠し続けていた私は、隠す事が当たり前になり過ぎて、自然と気持ちを隠せるようになっていたけど。

だから、夏祭り以降の私と悠也の関係は、今までと何も変わらない。

今まで変わらず、悠也はポンポンと私の頭を撫でたりと、女の子では私にだけスキンシップがあった。

私は悠也に頭を撫でられる事が、すごく嬉しかった。


悠也の中で、私は特別な存在なのかな?


違うとわかっていても、そう思ってしまう事もある。

それに、夏祭り以来、悠也が松下さんと話をしている所を見た事がない。

だから、


悠也が松下さんの事を好きなのかな?って思ったのは、私の勘違い?


そう思おうとしていた。


だけど、“やっぱり悠也は松下さんの事が好きなのかな?”と、思う事がある。

それは……


部活の時、いつもたくさんの女の子達が見に来ている。

それは、悠也や陽輝、てっちゃん目当てに。

今までは、あまり気にしていなかった。

だって、それは中学の頃からそうだったし、ある意味“いつもの光景”だったから。

それに、今まで悠也がその沢山の女の子達に興味を示した事がなかった。

そして、今まで悠也は“好きな人がいない”と言っていたから、特に私も気にしていなかったんだ。