「あははっ、大丈夫……。うん、大丈夫だよ!」


私は四人に向かってにこっと笑う。

正直、いつもみたいに上手く笑えているかはわからないけど。

だけど、悠也が戻ってくるまでに、いつもの私に戻らなきゃ。

ちゃんと、笑わなきゃ――…



悠也が戻って来てからの私は、笑顔を作る事に集中した。

私の事を心配した萌実は


「一緒に行動する」


そう言ってくれ、私の腕にぎゅっと抱き付いた。

だけど、


「久しぶりに会えたんだから、二人でデートしてきなよ」


私はそう言って萌実に笑顔を見せたけど、


「嫌っ!」


萌実は私の腕から離れない。


「萌実がよくても、陽輝は二人きりになりたいんじゃない?」


萌実にこそっと言ってみたけど、


「奈緒、気にするな。今日はみんなで回ろう」


私達の近くにいた陽輝は優しい表情でそう言った。


「ごめん。ありがとう」


私はそんな二人の優しさに甘えて、みんな回る事にした。

そして、私はお祭りを回っている間、萌実と綺那のそばから離れなかった。

みんなが一緒にいてくれたおかげで、私は笑顔でいれた。


みんながそばにいてくれてよかった。

そうでなきゃ私、今日、笑顔でいられる自信がなかったよ。

みんな、ありがとう。


私は心の中で、みんなに感謝した――…