ねぇ、悠也?

もしかして、松下さんの事……、好きなの?


今まで好きな人がいなかった悠也。

だから、悠也に一番近い女の子は私だとどこかで思っていた。

他の女の子達より、私は“悠也にとって特別なのかな?”って、正直、そんな自惚れも少しあった。

でもそれは、“一人の女の子”ではなくて、“何でも話せる友達”だから近かっただけ。

やっぱり、そういう事だよね?

そう、私の自惚れ……

悠也に一番近い女の子という余裕……


行動をしなかったのは私。

松下さんへの気持ちを悠也に聞いたわけではないけど、悠也の気持ちの変化に気付いた私は、どうしたらいいのかわからなくなった。

同じく悠也の気持ちの変化に気が付いた陽輝。


「奈緒、大丈夫か?」


私の方に手を置き、心配そうに耳元で聞く。

その声に振り返ると、萌実も綺那も心配そうな表情をしていた。

そして、てっちゃんも心配そうな表情で私を見ていた。


私の気持ち、てっちゃんにもバレてたんだ……