「じゃぁ、本気で狙っちゃおうかなぁー!」


他のクラスの可愛らしい女の子が目をキラキラさせながら言った。


見た目は、守ってあげたくなるような女の子。

だけど、その目は獲物を狙う肉食獣のよう……

そんな彼女を見て、


この子、見た目と違って、肉食女子なんだ。

でも、まぁ、肉食な本性は別として、悠也もこんな可愛い子から告白されたら、嬉しいだろうな。


そんな事を考えていると


「ねぇ、有沢さん。阿部くんの事、狙っていい?」


その見た目の可愛い肉食女子の子に、じっと見つめられる。


えっ?


「えっ?な、なんで、私に聞くの?」

「うーん……、なんとなく?」


その子は、私の気持ちを知っているかのように、ふふっと笑いながら私を見ていた。


私の気持ち、バレてるの?

それじゃぁ、私が“嫌”って言ったら、あなたは悠也の事を狙わないの?

悠也の事を、好きにならないの?


だけど、“友達”の私がそんな事を言える立場じゃない。


「いいんじゃない?どうするかは悠也が決める事だし」


そう、決めるのは悠也。

私じゃない……


私の隣で食材を準備していた綺那は「はぁ……」とため息を吐いていた。