もちろん、私だって悠也と一緒のグループになりたい。

だけど、悠也達は、クラスの女の子達に囲まれている。

しかも、言い争いまで始まっているし……

そんな中に入って、声なんて掛けられない。


「はぁ……」

「ねぇ、奈緒。さっきから、ずっとため息吐いてるくらいなら、声掛けなよ」


悠也達の方を見て、ため息ばかり吐いている私を、綺那は呆れた顔して見ている。

ちなみに、私は今、綺那の席の所から、悠也達の事を見ている。


「……うん。でも……」


そうなんだけどね……


同じグループになりたいなら、自分から誘えばいいだけ。

そんな事は、わかっているんだけどね?

中学の修学旅行の時は、周りも私と悠也は仲良いし、同じグループになるだろうと思われていたのもあったのか、ここまで女の子達に囲まれる事はなかった。

それに、あの時は、悠也から「一緒のグループになろう」と誘ってくれた。

まぁ、悠也から誘われなくても、あの時は、萌実が一緒だったのもあって、自分から声を掛けようとしていたけど。


でも、あんなに囲まれていたら、さすがに声を掛けにくいよ。