私と綺那はファーストフードでお昼ご飯を食べる事にした。

ハンバーガーを食べながら、いろんな事を話す。


「ねぇ、奈緒ってさ、阿部くんの事が好きなの?」

「……へっ!?」


いきなり言い当てられた私は、びっくりして綺那を見る。


「今日、出会ったばかりだけど、奈緒の事を見ていたらわかるって」


綺那は笑顔で私を見る。


「……私、そんなにわかりやすいかな?」


卒業式の日、陽輝にも“見てたらわかる”って言われたよな。


「うん、わかりやすいよ」


そう答えながら、綺那は笑っている。


「奈緒、阿部くんと仲良いし、いい感じじゃない?告白しないの?」


萌実も言っていたけど、でも……


「だって、フラれたら、今みたいに話せなくなるし」


それもだけど、一番は私に勇気がないだけなんだけど。


「……って、なんでフラれる事前提なの?上手くいくかもしれないじゃん」

「だって、悠也、前に“好きな人いない”って言っていたし……」

「“前は”でしょ?今はわからないじゃない」

「そうだけどさ……。でも、悠也は私の事を“友達”としか思ってないよ」


悠也はモテる。

これから先、悠也の事を好きって言っている人の中に、悠也が好きになる人が出来るかもしれない。

萌実にも

“ぼやぼやしてると、他の誰かに先越されちゃうんだからね”

と言われた。

悠也に彼女が出来るのを見るのは辛い。

だけど、私は告白をして今の関係が壊れる方が嫌なんだ。


その後も、私達は陽が落ちるまで、たくさんの話をした。

今日1日で、綺那とすごく近付けた気がした。