「マジで?やったー!二人と一緒にバスケが出来るなんて、俺、嬉しいよ!!」


西野くんは悠也と陽輝の手を取り、すごく喜んでいた。


私達の通っていた中学のバスケ部は、そんなに強いってわけじゃないけど、悠也と陽輝は有名だった。

二人の見た目がいいのもあるけど、プレーも上手かったから。

実際、バスケの強豪校からスカウトもあったらしいけど、ここ北川高校に入学を決めた。

まぁ、北川高校も予選ではいい所までいくし、弱いわけではないけど、全国大会になかなか進めない事を思うと、強いわけでもない。

悠也も陽輝も

「強いチームでレギュラーを取る為に、必死に頑張るのもいい。だけど、楽しんでバスケがしたい」

そう言っていたのを聞いた事がある。

私もその気持ちがわかる。

悠也や陽輝ほど有名でもないし、スカウトがくるほど上手いわけではないけど。

強いチームでバスケをすると、楽しむ余裕がなくなると思う。

まぁ、それはそれで、レギュラーを取れた時は、すごく嬉しいんだろうけど。

でも、私も楽しんでバスケがしたかった。

だから、悠也と陽輝の気持ちがわかる。


西野くんのテンションに、はじめは戸惑っていた悠也と陽輝だったけど、次第に西野くんと打ち解けていったみたい。


「綺那、行こっか」


悠也と一緒にいたいけど、なんか男三人で盛り上がっていたから、私は先に綺那と帰る事にした。


「じゃぁ、また明日。バイバイ」


悠也達に声を掛け、私は綺那と教室を出た。